亀岡市で集団登校中の児童の列に車が突っ込み10人が死傷した事故から23日で9年となった。遺族や地域の住民、子どもたちは、事故現場や学校などで亡くなった命に思いをはせ、交通事故ゼロを願った。
亡くなった児童が通っていた篠町の安詳小では、この日を「こころをつなぐ日」と定め、例年、集会や道徳の授業を行っている。4年の授業では、亡くなった小谷真緒さん=当時(7)=の実話を基にした紙芝居「まおちゃんの新しい靴」を担任が読み聞かせた。
紙芝居は山陽学園大(岡山市)の学生が真緒さんの父真樹さん(38)の講演に基づき制作。真緒さんが新しい靴を履くのを楽しみにしていたのにかなわなかったことや、事故後2度止まった心臓が動き、生きたいと願いながらも亡くなったこと、命は一つしかないことなどが柔らかいタッチで描かれている。
児童らは「二度と事故が起きないよう、周りの人や家族を大切にしていきたい」などと感想を発表していた。全校児童785人が1枚ずつ花びら形の色紙を貼り付けて制作した「メモリアルワーク貼り絵」も体育館ロビーに展示した。
篠町自治会と亀岡署、亀岡市は事故現場付近や国道9号で安全運転を呼び掛ける街頭活動を実施した。6年間取り組んでいる同自治会の山田恭子さん(61)は「事故現場は通学時間帯は一方通行だが、知らずに突っ込んでくる人もいる。普段から安全運転を心掛ける社会になってほしい」と話していた。
事故があった府道は30キロ制限など安全対策が進むが、亀岡署によると今でも軽微な接触事故は発生している。市内では交通死亡事故が今年に入り既に2件発生し、前年同期を上回っている。
この日朝、事故現場では遺族らによる法要が営まれ、小谷真樹さんは「車のハンドルの重さや、運転の先に必ず奪われてはいけない命があるのを改めて認識してもらえたら」と訴えた。
事故で亡くなった女の子を描いた紙芝居、母校で読み聞かせ 亀岡事故から9年 - 京都新聞
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