「学校に行きたくない」。小学1年生だった女の子はそんな思いを抱えていました。でも、年が離れた中学生の「お姉さん」が毎日一緒に通学してくれるようになり、学校に行くのが楽しみになりました。数年後、母親が感謝の気持ちをお姉さんに伝えると、返ってきたのは意外な言葉でした。
突然のインターホン
昨年12月のこと。千葉市の小原すみれさんは10歳の誕生日を迎えた。
母の藍さん(42)は、家の外ですみれさんのクラスメートの母親と世間話をしていると、自宅の前を行き来している高校生ぐらいの女性に気づいた。どこか家を探している様子だった。
藍さんが家に戻るとインターホンが鳴った。「松野由來(ゆら)です」。名前を聞いて、藍さんははっとした。急いで、長女のすみれさんを呼んだ。「お姉さん」だ。
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すみれさんは小学1年生のとき、学校の友だちに意地悪をされることがあった。前日までは普通に話してくれていたのに、翌日はしゃべってくれない。「学校に行くの嫌だな」「一人で行きたくない」と藍さんにこぼすことがあった。
相手は中1 「いずれ離れて…」
ある日の通学路。一緒に通学していた友だちが後ろを歩いていた中学生に声をかけた。由來さんだった。時々通学路で見かけ、何となく気になっていた。「今度から一緒に学校行かない?」と由來さん。突然だったけれど、すみれさんはとてもうれしかった。家に帰るとすぐに、藍さんに「お友だちができた」と声を弾ませた。
すみれさんが通う小学校と由來さんの中学校は隣り合っている。毎朝15分の通学のおかげで、すみれさんは学校に行くのが楽しみになった。
お姉さんの存在は、藍さんも…
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「学校に行きたくない」 小1の女の子を救ったのは… - 朝日新聞デジタル
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