23日に開幕する東京オリンピック(五輪)に出場する女子テニスで世界2位の大坂なおみ(23=日清食品)が、国際オリンピック委員会(IOC)が制作した「Stronger Together(団結すれば強くなれる)」キャンペーンの動画に出演している。「人と違うことは素晴らしい」とメッセージを送る約1分間の動画は、8日からYouTubeで公開されている。

東京五輪に向けて大会を盛り上げることを目的にIOCが制作したもので、大坂は陸上男子金メダリストのウサイン・ボルト氏やスケートボーダーのトニー・ホーク氏、2016年リオデジャネイロ大会に難民選手団の一員として出場した競泳女子のユスラ・マルディ二ら5人のアスリートが出演するシリーズ4作目に登場している。

動画は、コートでプレーする姿や幼少期の映像と共に「私はおとなしくて、人とは違うと思われているかもしれない。オリンピアンがあるべき姿には当てはまらないとも。でも、その定義は人々が思うよりも大きいと私が証明している」と大坂が語るところから始まる。そして、「見ている女の子たちに勇気を与えたい」と話し「人々の思う基準から外れているのは良いこと。それを変えることが私たちにはできるから」と世界中の少女たちへのエールで締めくくられている。

IOCは、大坂が出演するキャンペーンシリーズは、「世界中の人々に希望、団結、インスピレーションをもたらすアスリートの強さ、回復力、決断を祝うもの」だと説明している。

5月に精神的な理由からテニスの4大大会(グランドスラム)の1つである全仏オープンを途中棄権し、2018年からうつに苦しんできたことを告白した大坂は、東京五輪で復帰することを表明している。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)