読売テレビ
3年前、下校中の小学生の列にショベルカーが突っ込み、5人が死傷した事故で、亡くなった女の子の遺族が損害賠償を求めて民事裁判を起こしている。一方、被告側は障害を理由に賠償額の減額を主張している。 事故で11歳の娘を失った井出努さんは7日、10万筆を超える署名を携えて裁判所に向かった…。事故を振り返る。2018年2月、大阪市生野区でショベルカーが突然、暴走し歩道で信号待ちをしていた小学生ら5人に突っ込んだ。井出さんの長女、安優香さんは帰宅するため、学校の門を出たところで、事故に巻き込まれ亡くなった。 「怖いよ、痛いよ、助けてーっていう声が聞こえてきそう」。安優香さんの遺品を取り出し、悲痛な思いを打ち明ける母のさつ美さん。安優香さんは生まれつき耳がきこえづらく、現場近くの支援学校に通っていた。 刑事裁判でショベルカーを運転していた佐野拓哉受刑者には、てんかんの持病があり、医師から止められていたにもかかわらず運転をしたとして危険運転致死傷罪などで懲役7年の判決を受け服役している。 その後の民事裁判で遺族の心が再び傷つけられる事態が起きた。井出さんは、佐野受刑者と会社を相手取り、約6000万円の損害賠償を求めている。争点は「逸失利益」という事故に遭わなければ将来得られたはずの収入だ。 会社側は安優香さんは難聴のため障害のない人に比べて、学力や思考力が劣るうえ、コミュニケーションがうまくできず、将来得られた収入は一般的な女性の4割にとどまると主張した。努さんは「差別だと思いました。(亡くなった)5年生のときは見違えるように成長していた。将来が楽しみだった。落ち度のない娘を差別する言い方は本当に失礼じゃないかと」と怒りをあらわにする。 井出さんは、安優香さんが発音の勉強をしてきたことや支援学校ではスムーズに意思疎通ができるよう努力してきたとして収入に差はないと訴えている。「娘の将来を否定しないでほしい」。井出さんの訴えに支援の輪が広がっている。聴覚障害者の支援団体が署名活動を始めたところ、全国各地から賛同の声が集まり、その数は10万筆を超えた。 そして、7日、井出さんは公平で公正な判断を求め、集まった署名を裁判所へ提出した。井出さんは「民事裁判で同じような(障害を理由に)差別的な扱いをされて、同じ苦しい思いをしてほしくないという思いで私どもの裁判はかなり重要かなと」。賠償額ではなく、親子で歩んできた11年間の努力を認めてほしい。井出さんの裁判は続く。
大阪・生野区の重機事故裁判 死亡した女の子の遺族「障害を理由に賠償額の減額は差別」と訴え(読売テレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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