
性別は男女2つに分けられない。人の数だけ性がある
――性の多様性とはいったいどういうことなのか、教えてください。 佐々木先生(以下敬称略)性は主に 【1】身体的性別 【2】性同一性(gender identity) 【3】性役割(gender role) 【4】性的指向(sexual orientation) などの構成要素があります。 こうしたさまざまな要素の濃淡が一人ひとり異なるということが「性が多様」という意味です。 【1】身体的性別は、内外性器・性染色体などの性的特徴のこと。それは2つだけには分けられず、ホルモンの量や性器の特徴、性染色体などまで、実はさまざまなパターンがあります。出生時に法律上の性を決めるために、主に外性器のかたちで赤ちゃんの性別を決めますが、大きさもさまざまなので、判断が保留になることもあります。【1】~【4】までと違い、法律上の性は多様性を認めていません。したがって体の性は多様なのに、医療者や親をはじめとする社会が赤ちゃんにどちらかを割り当てているといえます。 【2】性同一性(gender identity)は、ある性別に対するアイデンティティのことです。自分が所属していると感じている性別が、人から見られている性や、自分のありたい性と同じだと感じられていれば、性同一性が安定しているといえます。 【3】性役割(gender role)は、社会や文化、時代によって、ある性別に与えられる役割のことです。服装や髪型、しぐさ、趣味嗜好(しこう)など多岐にわたります。たとえば日本ではスカートは女性がはくことが一般的と思われているけれど、国によってはそうではないこともあります。 【4】性的指向(sexual orientation)は、恋愛や性愛の対象となる性別のことです。 これらの要素が、男性的な方向に強いのか、女性的な方向に強いのかは人によって異なります。そして、それぞれが独立しているというのが大事なポイントです。身体的に女性の特徴が強いとしても、スカートを好まない人もいます。男性アイデンティティを持つ人が、男性に対し、あこがれやときめきを感じることもありますし、そしてその人の性役割行動が、強く男性的であることもあります。 すべての人に、さまざまな性の要素がグラデーションで存在していて、どのくらいの濃淡で持っているかが、その人のセクシュアリティの個性だといえます。性は「男・女」の2つには分けられず、一人ひとりが異なる性の個性を持っているのです。決して、性的マイノリティの人たちがいるから性が多様なのではありません。 ――このように性が多様であるなかで、性的マイノリティといわれるのはどのような人たちなのでしょうか。 佐々木 代表的なもので、LGBTQという言葉をよく目にするでしょう。 L=レズビアン(女性同性愛) G=ゲイ(男性同性愛) B=バイセクシュアル(両性愛) T=トランスジェンダー(出生時に割り当てられた性別とは異なる性別で生きる) Q=クエスチョニング(自分のセクシュアリティを探求している) などです。ほかにも Asexual(エイセクシュアル:無性愛) Pan sexual(パンセクシュアル:全性愛) など、聞いたことがあるかもしれません。 これらは、欧米の当事者たちが自分自身を定義するための用語として使い始めたものです。肯定的に自己のアイデンティティを捉えるための言葉といえます。
「体は男の子だけど、女の子の遊びを好む」これってトランスジェンダーなの?性の多様性を考える(たまひよONLINE) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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