映画『スザンヌ、16歳』で感じてほしい揺れ動く少女の気持ち
(髙山 亜紀:映画ライター)
未成年と同意のもと性行為をして逮捕されるのはおかしいなどと発言した議員が辞職した。「50代の私と14歳の子が、恋愛したうえでの同意があった場合に罰せられるのはおかしい」とし、物議を醸した。成人と未成年が恋愛することは違法ではないが、いざ現実的な話に置き換えてみると、そこにある種の居心地の悪さが生まれるのはなぜだろう。思うに、未成年側にとって、成人への思いはある種のファンタジーだが、成人側はそうではないはず。子どもの気持ちを利用している印象がどうしてもぬぐえないからではないだろうか。
ファンタジーだからこそ、小説や漫画、映画の世界ではたびたび大人に憧れる少女の姿が描かれる。それは淡くほろ苦い初恋。『スザンヌ、16歳』は大人の男性に恋した、パリの女の子のひと夏の冒険を描いたラブストーリーである。
同年代より魅力的に見える年上の異性
16歳のスザンヌは同世代の男の子たちに興味が持てず、彼らの噂をして喜んでいる同級生の女の子たちのバカな会話にもうんざりしている。通学路のカフェで彼女は年の離れた、魅力的な男性を見つける。
どうやら彼は舞台俳優らしい。これまで足を踏み入れたことのない劇場、まだ見たことのないお芝居という大人のツール。好奇心いっぱいの彼女は彼への興味が止まらない。彼もまた、芝居の稽古を繰り返し、代り映えしない毎日にうんざりしていた。
10代の女の子が同意してくれたからって抱き寄せていいわけない - JBpress
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