「スーパーボランティア」として知られる尾畠春夫さん(82)が2022年7月、小学生の女の子と再会を果たした。西日本豪雨の被災地・広島県を訪問し、交流を深めた。
尾畠さん 4年前の豪雨被災地・広島へ
2018年に発生した西日本豪雨では、広島県全体で151人が亡くなり(災害関連死含む)、5人が今も行方不明だ。
この記事の画像(12枚)7月6日、坂町で行われた追悼法要。トレードマークの赤いタオルを頭に巻いた、スーパーボランティアとして知られる尾畠春夫さんの姿もあった。
被災地を元気づけてほしい、というボランティア仲間の求めに応じて駆けつけたという。
尾畠春夫さん:
皆さんと一緒にご供養ができたことを私は誇りに思っています。本当にきょうはありがとうございました
当時は車中泊で活動…これまで「一番大変と思ったことは1つもない」
2018年、尾畠さんは災害発生直後から、広島県の被災地で支援に汗を流した。山口県で、行方不明になった男の子を救助したのもちょうどこのころだ。
世間から注目される中、呉市の天応小学校の校庭で車中泊をしながら、黙々と活動を続けた。
追悼法要前日の7月5日、尾畠さんは再び、天応小学校を訪れた。
子供:
好きな言葉はありますか?
尾畠春夫さん:
人にやさしく、己に厳しく
子供:
ボランティアをする中で、一番大変だったことは何ですか?
尾畠春夫さん:
いい質問ですね。ありがとうございます。今までおいちゃん、ボランティアをさせてもらって一番大変と思ったことは1つもないです
元気になるきっかけをもらった女の子…ランドセルに特別なメッセージ
子どもたちの質問に答える尾畠さん。その言葉を熱心に書き記す、一人の女の子がいた。
5年生の谷侑奈さんだ。
谷侑奈さん:
誰かが困っていたら、その人のためになってあげたい
2018年の豪雨では、自宅に濁流が押し寄せ、被災した侑奈さん。そんなつらいときに尾畠さんと出会い、元気になるきっかけをもらったという。
それ以来、尾畠さんと侑奈さんの交流が続いている。
侑奈さんは2021年、尾畠さんが呉市を訪れた時に、メッセージを書いてもらったランドセルを大切にしている。
ランドセルにはこう書かれていた。
ゆうなさんへ
絆
朝は必ず来ます
一歩前進
人にやさしく 自分にきびしく
有言実行
人と大きく己を小さく
2021年 令和3年 11月17日 水 晴
尾畠春夫 82歳
当時の侑奈さんの喜びについて、母・美侑季さんはこう話してくれた。
侑奈さんの母・谷美侑季さん:
「ランドセルにじかに書いて欲しいと言ったんよ」と嬉しそうにランドセルを抱えて帰ってきた
ただ、このランドセルは「ラン活」をして手に入れたというとっておきのもの。美侑季さんはランドセルに直接メッセージが書かれているのを見て、驚いてしまったそうだ。
当時を思い出して苦笑いしていたが、侑奈さんが「すごい喜んでいたのでよかった」と振り返った。
受け継がれる“人のために尽くす”精神
そして再会を果たした2022年7月。自宅に来てくれた尾畠さんに、侑奈さんは手紙を手渡した。
手紙を読む尾畠さん:
“尾畠さんに会えて嬉しいです。おばたさん、大好き大好き大好きです。”
ありがたいなあ~
谷侑奈さん:
ずっと元気にいてほしいです
尾畠春夫さん:
おいちゃんは元気でいっぱい長生きするよ。天応のことは忘れない。時々ゆうなちゃんに会いに来ます
被災地との交流を続ける尾畠さん。人のために尽くすという気持ちは、子どもたちにもしっかりと伝わっているはずだ。
(テレビ大分)
“スーパーボランティア”尾畠さんの精神受け継ぐ女の子…4年前の豪雨被災で交流【大分発】 - FNNプライムオンライン
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