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Tuesday, January 18, 2022

「女の子の避妊手術希望」で来院した猫のミーちゃん、検査後は「男の子」として再出発|まいどなニュース - 神戸新聞社

 8月に20歳になるミーちゃん(男の子)とは、7カ月齢の時からのお付き合いなのですが、初めの出会いがなんとも衝撃的。「女の子の避妊手術希望」ということで来院され、検査を進めていたところ、なんと男の子だということが発覚。精巣が腹腔内に潜在していたため、女の子だと思われたまま7カ月まで過ごしていたようです。

 その日から新たに男の子として生活し始めたミーちゃんでしたが、しばらくたつと膀胱炎を起こすようになりました。しかも男の子に特有の、尿道に結晶が詰まっておしっこが全く出ない「尿道閉塞」という状態になってしまい、入院生活をした経験もあります。

 その後は治療食を続け、いい状態をキープしていました。ところが数年前から発作を起こすようになり、今ではお薬を内服しながら肝臓、腎臓のケアのために1週間に1度のお注射に通っています。

 ミーちゃんはお注射を嫌がることもなく、キャリーから出ると「よろしくお願いします」と言っているかのように、姿勢を正してスタンバイしてくれます。そのミーちゃんにいつも寄り添ってくれるのが、心優しい飼い主のお兄さん。いつも笑顔でミーちゃんのおうちでの様子を報告してくださり、ミーちゃんの状態がいい時にはとてもうれしそうですし、体重が減ってしまった時などは「もうちょっと食べような、ミーすけ」とミーちゃんを優しく励ましてくださいます。

 愛情に包まれ、治療もおりこうに受け入れてくれ、ミーちゃんの状態は良好に維持できています。ミーちゃんが無事に20歳を迎えられるよう、スタッフみんなでサポートし、お誕生日にはみんなで盛大にお祝いしたいと思います。その時のお兄さんの笑顔がすでに目に浮かびます。ミーちゃん、元気にお誕生日が迎えられるよう一緒にがんばりましょうね。

◆小林由美子(こばやし・ゆみこ)獣医師。1990年開業の埼玉県ふじみ野市「こばやし動物病院」院長。米国で動物の東洋医学、自然療法を学ぶ。治療はもちろん予防やしつけなどにも造詣が深く、講演活動も行う。ペットと飼い主双方に寄り添う診療が信頼を得ている。

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